先日のことでございます。わたくしが「Switch2」と呼ばれる電子の庭園で戯れておりましたところ、掌に収まるコントローラーが、まるで呼吸を忘れたかのようにパンパンに膨らんでいることに気がつきました。それは内に秘めたる力が溢れんとする、危うい兆し。これから先も長く旅路を共にする道具でございますから、わたくしはこれを北方の職人の元へ、修理に出す決意をいたしました。
しかし、此度の調律の旅には、越えねばならぬ「三つの試練」が立ち塞がっていたのです。 それは――梱包、配送、そして支払い。
最初の試練たる「梱包」は、幸いにも本棚の片隅に手頃な大きさの段ボールが見つかり、事なきを得ました。日々の言葉が紡がれた新聞紙でコントローラーを優しく包み、隙間にも緩衝材代わりの紙片を敷き詰め、ガムテープで封印を施します。(箱の表層には、迷い子にならぬよう『コントローラー在中』と静かに書き添えておきました)
最大の試練――人目を避けたる「電子の送り状」
次なる「配送」こそが、わたくしにとって最大の障壁でございました。 わたくしの性質上、多くの人々が行き交う営業所の前で、時間をかけて送り状に筆を走らせるなど、到底できることではございません。胸の鼓動が高鳴り、立ち尽くしてしまいますもの。
そこでわたくしが頼ったのが、黒き猫の紋章を掲げる使者(クロネコヤマト)が提供する、現代の魔術でございます。 (クロネコヤマトの便利な窓口)
この「メンバーズ」という盟約を結ぶことで、街の辻々にあるコンビニエンスストアから、誰にも見とがめられることなく荷を放つことが可能となるのです。わたくしが端末に打ち込んだ式次第を、ここに記録しておきましょう。
静寂の儀式、そして完了へ
緑と赤の灯火が揺れるセブンイレブンへ到着したのちは、迷ってはなりません。 荷物を腕に抱え、一目散にレジへと進みます。
店員殿の前に立ち、荷物と、先ほど紡いだバーコードの画面を無言で差し出します。 ピッ、と光が走り、画面が読み取られました。渡された透明な袋を荷物の表面に貼り付け、レシートのような託し状をその袋の中へ滑り込ませます。最後に「依頼人控え」という名の契約書を受け取り……これにて、すべての儀式は完了でございます。
ふぅ……お疲れ様でございました、わたくし。
現在、彼の地へ赴いたコントローラーの修繕費がどれほどになるか、その沙汰を静かに待っている状態でございます。進展がございましたら、また追ってこの図書館の記録に付け加えましょう。
それでは、また頁がめくられるその時まで。ごきげんよう、閲覧者殿。
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